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心と体とのmiccheのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.0
オープ二ングで嫌な予感がした。
檻の隙間から太陽の光を眺める牛の瞳が映し出されたあたりから。
解体場の牛たち、みんななんて可愛らしい瞳をしているんだろう。
外に出て走り回りたいよね。
こんな暗い場所でギュウギュウに飼われていても、しっかりと生きている瞳。
だけど、どこか悲しげに映る。
私がそう見つめてしまっていたからなのか、牛たちが自分の運命を知っていたからか、どちらかわからない。

人間に誘導され、大人しく解体マシーンに入っていく牛。
この時も、瞳は同じ。
素直な瞳のまま。
そんな子の解体シーンは、見ていられず目を背けた。
横目で流れをボンヤリと確認しながら数秒後に画面に目線を戻した。命のかかっているシーンを無駄にしてはいけない気がしたから。
命を奪われ吊り上げられていく牛の瞳は、驚いていた。
何が起きたのかわからない、、、
もしくは激しい痛みのせいか、、、
わからないけれど、いつもの瞳とは全く違っていた。

どうか、毎日エサを与えてくれた人間たちに裏切られたと知る前に気を失ってくれていたら・・・と願った。
そんな風に気がつく最期なんて、辛すぎる。

その後も、解体マシーンの音が各シーンで後ろから聞こえてくる。
何度も思いださせてくる。
トラウマになりそう。

最後まで観たし、男女の恋愛としては、繊細でステキだけれど、私には苦手な作品となりました。
二人の男女の瞳は、夢の中にでてきたあの鹿たちにそっくりだった。
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