平地に住むハムスター

スキン~あなたに触らせて~の平地に住むハムスターのレビュー・感想・評価

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私もどんな形であれ自分を好いて幸せになりたい。

ただ監督がイケメンすぎて奇形をアートにしてるって穿った見方をしてしまう。私もルッキズムに侵されてる。

ストーリーに別にそんなにひねりがある訳では無いし自分のコンプレックスによる孤独はいまのとこ自分にしか処理できそうにないから何とも言えないけど、とにかく映像に凝ってて芸術点が高いので一見の価値はあると思う。

理解を示している風な人が実はマイノリティを傷つけていること。
コンプレックスの肥大化はそのマイノリティ要素自体でなく周りの仕打ちや視線といった後天的な歪みによること。
整形だって実際問題魔法じゃない。得られるのは大抵心に刻まれる努力の証。
どうして自分を愛することすら叶わないのか。
私が私を愛することを馬鹿にしないでいられないのか。

仕方ない。マイノリティは弱い。本能的により良いものを選びたがるのは妥当なことだ。そもそも平均値から外れた醜形や性別的倒錯は遺伝子的に弱いとされる。美的感覚は生殖面で役に立つ。
ルッキズムは心の持ちようだけでは絶対に拭えない。社会の風潮をシステムを変えたって無理かもしれない。
それでもやっぱりそれらに押されて近年は図に乗りすぎだよね。たくさんの人が嫌気が刺してるのに止まらないの本当に気色が悪い。
例えばそれをにかこつけた悪意は許さなくていい。整形をしたあの男性はその話を誰にもしないだろう。無闇にそれをまさぐったりするナンセンスな人間はルッキズムどうこうの問題ではない。
ルッキズムとそれに付随する悪意は違う。悪意じゃなくとも人として常識がない。
そこは人が切り捨てたり修正ができる唯一のルッキズムへ歯向かう術。
こんな世の中で私たちは一人ひとりの一生を張っている。マイノリティやコンプレックスに引け目を感じず自分のやり方で戦っていい。