韓国の軍事政権に打ち勝とうとする金大中大統領候補は、惜しくも選挙に敗れたあと、日本などで隠遁生活を送っていた。
自衛隊員の主人公は、金大中暗殺を企てるKCIAから身元特定の依頼を受ける。
主人公は戦わずして自衛隊にいることへの不満と、闘いへの憧れを持っていたため、金大中拉致作戦にも加担していき、人生の歯車が狂っていくお話。
▼一匹狼的な主人公のキャラクターは、弱点がないので怖いもの知らずで突き進んでもあまりハラハラ感がない
▽そこでうまく機能しているのが、韓国から日本に渡ってきた女性と関係をもつという流れ
▽国のために戦って死ねばいいと思っていた主人公が、彼女と生きていくことを願ったとき、失いたくないもの=弱点が生まれる
▽女性とのいきさつは、全部カットしてもシナリオ上問題はないけど、個人が組織に抹殺されるというヤバさを描く上では、観客が感情移入できる重要な要素だったと思う