今年 コロナ禍で開催されたアカデミー賞にて アジア系女性監督としては初、女性監督としても史上二人目の快挙でアカデミー監督賞を受賞したクロエ・ジャオ監督。
新作「エターナルズ」の公開も控えるなかジャオ監督の長編デビュー作がWOWOWにて放送してくれたので鑑賞。
これは なかなか 貴重な作品。
強い絆で結ばれたネイティブアメリカンの兄妹の旅立ちと別れ、その地から離れなれない人々の苦悩を綴る・・・
ネイティブ・インディアン居留地で暮らす人々の不自由さ、広がる広大な大地、貧困。
彼等の苦しい生活の日々が12歳の少女、高校卒業間近の兄の眼を通して 痛いほど伝わってくる。
孤独な日々に追い討ちをかけるかのように今度は兄がL.A.へ旅立つという。
少女の未来は全く見えない・・・
無計画のまま旅立とうとする少女の兄。この地を離れたい。その一心だけ。そんなに甘くない。
マジックアワーを多用したサウスダコタ州の絶景の映像美。
「ノマドランド」の原点を見た！という感じ。
「ノマドランド」とテイストはそっくり。
なので「ノマドランド」がダメだった方は本作も観ないほうがいいと思います。
「ウインド・リバー」でも描いていたネイティブ・アメリカン達が暮らすインディアン居留地の実情。
本作の渇いた映像のほうが、突き刺さる。
主演の兄妹を演じた二人は現地の素人さんなのかな？ 素晴らしい表現力。
兄の眼差し、妹の眼差し。
未来を見据えているようで救いの無い。兄妹ふたりのあの眼差し、忘れない。
こんなにしっとり とした作品を作るクロエ・ジャオが どうマーベル作品を料理するのか？
クロエ節でいくのか？ それとも？
「エターナルズ」に期待が高まります。
