チッコーネ

ろくでなし野郎のチッコーネのレビュー・感想・評価

ろくでなし野郎(1961年製作の映画)
3.5
和製ウエスタンの成立には懐疑的だったが、冒頭の雄大なロケーションには素直に感心。
また早々に登場する嫌がらせキャラたちの性質の悪さも徹底しており、演出の明確な方向性を悟るに充分。
キビキビとした編集、華やかなキャバレーショウの挿入などには、日活アクションの流儀が踏襲されている。

二谷英明の出ずっぱりで、ファンにはうれしい展開。
上半身裸の場面も結構あって、目がハートに。
もう少しムチッとしていた方が色気はあると思うが、プロテインのない時代にしては結構なガタイ、さすがダンプガイ。
アクションシーンに「投げ飛ばす」という動きが多いのも新鮮だし、歌唱も「歌詞棒読み」の赤木よりはマシだった。
激しいスタントはさすがに本人ではないと思うが…、屋根から落ちる寸前で昏倒する長門裕之は吹替なしぽいし、やはりもしかして二谷本人?

女優陣の出番も多いが「やるときゃやるお嬢」といった趣の、芦川いづみはやはり得難い、久我美子の存在感にも匹敵する。