あなぐらむ

こくまろオッパイ かきまぜられた私のあなぐらむのレビュー・感想・評価

3.6
カレーの薫り漂う認知症サスペンス。
この年の夏のめぐりに続き巨乳女優の佐山愛を得て、まさにこくまろおっぱいピンク映画に仕上がった。チラシも作ってたくらいだから力入ってたのだろう。
五代暁子のホンにも池島演出にも若い男性への挑発みたいなものを感じた。

二番手児玉るみ、絡み要員の真島かおる共、こなれた演技&艶技で「映画を観てる」感覚を途切れさせない。
ただ、姥捨て山なのか鶴の恩返しなのか、ネタが機能する後半のカタルシスは弱く、もう少し何か欲しかった。
あと監督と佐山愛ちゃん、妊婦がヒールはどうなのよ?

竹本泰志も良かったが、やはりなかみつせいじがODZの本領を見せ、清水正二カメラは今回は露出アンダー時のデジタル画の絡みを試しており、佐山愛の美しい乳房を捉えて素晴らしい。佐山は恐らく一日撮りじゃないか? ピンク映画では難しい婆さんの老け役えみりいが良い。

池島監督はゼロ年代は真正面から「死」をテーマに据えた作品が多くなった(由美香さんも亡くなったし)が、10年代は「老い」へとそのテーマをシフトしていった感じがある。本作はその試行のひとつと言える。