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修道士は沈黙するのakiyoshiのネタバレレビュー・内容・結末

修道士は沈黙する(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

比喩や示唆的なシーンで構成されていて、読み解くのがむずかしい映画。社会派ミステリーの側面が強いです。

富める者が権力を得て、民主主義や時間すら凌駕しはじめている現代の経済家たちによる資本主義と、古典的な世界を保ち続ける宗教、さまざまなモチーフ・テーマを絡めて、単体だけでも難しいテーマをますます難解・複雑にしています。

自由と公正さを叫び裸でレインボーフラッグを掲げた活動家がやってきて、警備員に捕まるシーン(神父は沈黙したままその光景を見つめます)や、絵本作家が同性と関係をもつシーン、日本人俳優が演じるキャラクターが「アジア人は沈黙の意味を知っている」など、マイノリティの存在に言及するシーンが数多く出てきます。経済人たちが貧しい国がより苦しくなる政策を決める(のを反対する絵本作家)というのも、マイノリティへの視線です。
告解のルールである「沈黙」もテーマであるからか、視線がとにかく印象的で、「神は常にここにいる」という概念とともに、ボイスレコーダーでの録音やカメラによる監視、マジックミラーによる覗き見も描かれます。
裸の活動家はヌーディズムで、修道士の自然主義的側面も絡めてるのかな。
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