カツマ

花咲く恋のカツマのレビュー・感想・評価

花咲く恋(2016年製作の映画)
3.7
イタリア映画祭2017にて鑑賞(1本目)
これが監督3本目となるクラウディオ・ジョヴァンネージが来日。

鑑賞後のQ&Aでも言ってましたが、この作品の若手俳優はみな素人を起用していて、そのせいもあって非常にリアルな描写が追求されている。主演のダフネの目線で描かれる恋の一瞬の煌めきを波間に光る雫のように美しく切り取った作品。名優ヴァレリオ・マスタンドレアがダフネの父親役で登場。物語全体に一本芯を通す渋い大人の演技で存在感を発揮している。

保護観察期間中にも関わらずダフネはスマホの盗難を重ね何とか食い繋ぐ日々。だがそれも長くは続かず警察に捕まり刑務所に投獄される。そこで彼女はジョシュと出会うが、刑務所内での恋愛は禁じられた恋。それでも2人は少しずつその距離を縮めていく。

夕日をバックにしたロマンチックな風景は10代の頃にしかない刹那的な愛を美しく描き出し、2人の恋の行方をどこまでも追いかけていく。きっとその瞬間、その人を運命の人だと思う時。きっと若者達は大人の手を振り払って走り出していくのだろう。どこまでも先の見えない未来でも2人なら大丈夫だと信じて。
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