らんらん

十日間の人生のらんらんのレビュー・感想・評価

十日間の人生(1941年製作の映画)
3.0
渋谷実監督作品、主演は井上正夫、助演で田中絹代、高田浩吉などが出演

【内容】
序盤、井上正夫演じる船長はこの度船を降りて隠居、男手ひとつで育てた息子(高田浩吉)と暮らすことを楽しみにしていました
一方、田中絹代演じるヤスは択捉島で労働するため船を待っています、唯一の肉親であるおとっつぁん(水島亮太郎)を助けるためお金を稼がなくてはいけません

中盤、そんな時事件が起こる
娘(絹代)に会いに来ていたおとっつぁんが突然入水自殺!(借金苦から)
悲しむ田中絹代、そしてその場に居合わせながら飛び込んで助けなかったことに自責の念を抱く高田浩吉
田中絹代を不憫に思った船長はとりあえず家に置いておくことにしました

終盤、高田浩吉は罪を償うため田中絹代の代わりに択捉島に渡り働こうと覚悟を決めます
ところが船長は自分が択捉島に渡ると言い出して息子を殴りつけ説得
田中絹代&高田浩吉は択捉島に渡る船長の船を見送るのであった、、、

【感想】
短い映画なので展開が早い
久しぶりに昔の映画見たせいもあって最初のほうは状況理解(特に位置関係、人物の見分け)が難しかったし、台詞も何て言ってるのか所々聞き取れない

結局のところどういうお話なのかっていうと理解が難しいんだけど、、、まあ見たまま?まだまだ頑張るぞっていうお父さんの話なのかなぁ?
うーーん、そういうこともあるでしょうけど、やっぱり高田浩吉が行った方が良かったんじゃない?
確かに得手不得手あるでしょうけど、お父さん甘やかし過ぎ過保護過ぎな気もする、息子の成長の機会を奪っちゃったんじゃ?な気もする
田中絹代にしたって多少は抵抗したけど意外とあっさり代わりに高田浩吉を択捉島に行かせるの納得してるし、、、実はしたたかなんじゃ?とか考えちゃうじゃん

ちなみにタイトルの「十日間の人生」の意味もよくわからない
映画の始まりから終わりまでが十日間ってことなの?でもそれが何?十日間の人生って何?

良かったところ、というか印象に残ったのはやっぱりおとっつぁんの入水シーン
飛び込むシーンはない、水鳥達が飛び立ち、水面には波紋が浮かぶ
その後助けようと飛び込む男のシーンも飛び込むシーンはない、入水を見てあわててダッシュする後ろ姿、その後びしょ濡れ姿
この辺りの演出がなかなか面白かった、なんか理由があってこうしてるのかな?

・キャストメモ
気になったので当時の年齢もメモ
主演の井上正夫(60)は初めて見た、名前も聞いたことなかった、恰幅の良いおじさん(お爺さん寄り)
調べたところ戦前の演劇界では大物だったらしい、そりゃこのメンバーのなか主演してるんだからそうだよね
田中絹代(32)まだまだ綺麗でかわいらしい、か弱そう
高田浩吉(30)ボンボン役、歌わない役
3者とも10歳前後若い役を演じてるみたい
その他
山田巳之助、知らない人、船長の部下みたいな役、声、風貌、キャラが河村黎吉と被ってて見分けつけにくい
水島亮太郎、知らない人、さえないおっさん役、名前的に水島道太郎と関係ある?と予測したらビンゴ

以下出番少ないチョイ役
河村黎吉は仕事斡旋業者みたいな役?斎藤達雄は医者役?飯田蝶子は下宿?のおばさん、いい人役、岡村文子は宿屋?のおばさん、いじわるババア役、水戸光子は択捉島に行こうとするも虚弱で行けず寝込んでる役
ほぼワンシーンだけ出てくるのが警官?役の笠智衆
らんらん

らんらん