1967年のデトロイト暴動で起きたアルジェモーテル事件を題材にした映画。資料とインタビューを元に再現したみたいだけど、地獄のような40分を体験させられた。
暴動が起きるきっかけと登場人物のキャラクター紹介、モーテルでの事件、その後の裁判の3つで構成されたストーリーが没入感を引き立てる。非常に構成が丁寧。キャスリン・ビグローの実録物の中て群を抜いての傑作だと思う。
あのヘナチョコ顔のウィル・ポールターがレイシスト役をやるってんでちょっと心配だったけど、まさかまさか。あの青臭い感じが、間違った正義感に駆られる若者を上手く表現出来ていて、ベストマッチ。というか、いい意味で最悪な役。
ジョン・ボイエガも、こんな演技派だとは。彼の立場になって観るとこの映画の深刻さが際立つ。白人が意識していないところで人種差別をしてしまっている危うさや苛立ちが態度で伝わってきた。
重苦しいけど、全く退屈しない。学校の授業でも観せるべき重要な映画。