このレビューはネタバレを含みます
主人公の自死の気持ちを知った友人から、それはいけないよと何度も言われた時、決まりきったことは言わんでくださいとの答え。
登場人物の青年の祖父が最後に登場、孫から主人公に、生きていればいいことがあると言うように言われたが、わしはそんなことは言えないとの老人のことば。
どれも心に沁みた。
笠智衆さん、他の老優の方の演技も素晴らしい。
いつもどんな時でも楽しそうに活発にふるまう若いカップルを繰り返し描くことで、枯れていく生命との明暗が強調される素晴らしい演出だった。
このカップルの組み合わせがとにかく最高だった。女優さんがものすごく可愛い。
ほか、
自死を決行するとき恐山に向かうシーン、崖から飛び降りようとしてとっさに岩に手をのばしてつかまるシーン。頭は死を考えていても生命は反射的に生き延びようと反応する。
旅の途中、若き日に叶わなかった魅力的な女性との出会いの実現、これらのシーンにも偽りのない生命力を感じた。