このレビューはネタバレを含みます
まず最初にこの映画を見てジャン=リュック・ゴダールが問題としているのは芸術だけではなく哲学と政治の根本問題だと思った。
ジャン=リュックは聴衆の中でマイクを持って次のように言った。
「ユダヤ人はナチと同じ。現代のユダヤ人は昔のナチだ。昔のユダヤ人が現代のナチだとも言える。生きの延びたユダヤ人こそが昔のナチと同じなのだ。いずれにせよ現代のユダヤ人とは何者か。昔のナチとは?違う、現代のナチとは何者か。」
残念ながら彼がその言葉を発した後の沈黙の中で、あれだけいた数多くいる聴衆の中で誰一人として彼らが言っている内容の本質を理解する者がいないことが彼自身はっきりと分かったと思う。
個人的な意見として、ジャン=リュックは全てにおいての核心的なことを言っていて、そのことを誰一人として理解できないことを自分自身も非常に残念に思った。
この作品を見て、群衆にべったりくっ付く金魚のフンみたいにだけはなりたくないと思った。