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グッバイ・ゴダール!の銘茶のネタバレレビュー・内容・結末

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

歴史的映画監督のゴダールが18歳年下の娘アンヌと結婚し、離婚に至るまでを描いた映画。当初は愛し合っていた二人だが、過激なアナーキストであるゴダールとブルジョワ教育を受けたアンヌは次第にすれ違い始める。激しいアナーキズム運動に身を投じるゴダールは大衆映画を否定し、周囲の映画仲間を批判するようになる。段々と仲間が離れていく中彼を最後まで支えようとしたアンヌだが、浮気を疑い嫉妬にかられたゴダールから暴言を浴びせられ、ついに彼と別れる決意をする。アンヌから「もう愛していない」と告げられた夜、ゴダールは自殺未遂をするが一命を取り留め、翌年二人は離婚する。とにかくゴダールが我儘、自分の思想に固執して周囲の人間をこき下ろす上、いざアンヌが離れそうになると「見捨てないでくれ」とすがる典型的メンヘラ男。いくら機知にとんだ映画人だとしても、あの陰気な性格だと長いこと側にいるのは大変だろうなあと思いました。ゴダールがショックを受けるシーンで画面が白黒になったり、途中にフィルムで撮られた映像が挿入されたり、所々フランス映画らしい演出があって素敵でした。それとアンヌ役の女優さんがとっても綺麗でした。

あと、アンヌがどうしてもアナーキズム運動に肩入れできない理由を「ブルジョワ的教育を受けたせい」と話していたのが自分のことのように腑に落ちました。
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