律

グッバイ・ゴダール!の律のネタバレレビュー・内容・結末

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争か、革命か?この映画の中でのゴダールは随分と自分勝手で、物事を直ぐに決めつけて、その割には考えをコロコロと変えるし情緒が不安定、そんなどうしようもない人物として描かれていた。しかし彼の行動全ては、「映画はただの娯楽なのか?観客は凄惨な現実から目を背けるためだけに映画館に通うのか?いや違う、映画は政治的であり社会の一部、つまりは革命の一部であるべきなのである」という意見に基づいている。
映画を作り、映画を研究する学問をやることを選んだ人間はみな映画はただの娯楽なのかということについて頭を悩ませたことがあるんじゃないか。無論私もだ。少なくとも私は、映画はただの娯楽だと言う人間で面白い人間に出会ったことがない。そういう人間はただ、映画とは娯楽以上のものだと思わせてくれるような成熟した作品にまだ出会えてない、そんな作品は世にいくらでもあるのに、文化芸術に対して適切なアプローチを取れていないだけだと私は思っている。
過去の大作とそれに付随する高い評価や人気と決別し、政治的な映画を撮り始めたせいで「軽蔑」され「勝手にしやがれ」と周りの人間に見放されてしまったゴダールに対して私は同情を禁じ得ない
律