ユカートマン

グッバイ・ゴダール!のユカートマンのレビュー・感想・評価

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)
3.7
5月革命前後のゴダールを当時の妻にしてゴダール映画のミューズであるアンヌヴィアゼムスキー視点で描いたもの。彼女の自叙伝が原作。少し前に三島由紀夫vs全共闘のドキュメンタリーが公開されてたけど、まさにフランスのそれ。

"35歳を超えてマヌケな芸術家"になってしまった、天才というかアスペというか、舌っ足らずで自己愛に満ちた、共産主義者のなり損ないの残念なゴダール。ベルトルッチにも言われてたけど、そもそも彼はブルジョア一家の生まれで、本当に革命を必要としている労働者たちの気持ちなんか絶対に分かってないだろ、っていうのをしつこいぐらい何度も皮肉に描かれていたのが最高だった。娯楽映画を否定する彼自身をコミカルな娯楽映画として描いてるし…「ゴダールは親中の糞スイス人」っていうシチュエーショニストたちのスローガンをもともと知ってたので、ゴダールの反応を見て爆笑。俳優がヌードになることについてのセリフを主役二人が真っ裸で語ってるのが面白かった。トリコロールを基調としている原色のインテリアが可愛かった。自分の勉強不足かもしれないけど、ゴダールの反シオニズム発言があんなに否定されていたのが謎だった。概ね同じ印象なので。。
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