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ベルリン・シンドロームのRandBのレビュー・感想・評価

ベルリン・シンドローム(2017年製作の映画)
3.8
『ブラック・ウィドウ』の予習としてケイト・ショートランド監督作だったので鑑賞。

単身ドイツにやって来た女性・クレア。
旅先で素敵な出会いを果たし、現地の学校教師・アンディと恋に落ちた彼女だったが……。

監督の前作に続き、かなり、精神が削られる一作。

監禁もののスリラー作品だと期待して鑑賞すると間違いなく肩透かしをくらう内容ではあるが、監督作品としては、一貫したものが見られるため、興味深いものがあった。

あたかも恋愛映画かのように進む序盤から、反転する陰鬱な物語。

しかし、監禁された以後、主人公が男性を許してしまうという描写などもあり、抜けられない依存関係というものにこそ、単なるスリラー映画ではない恐ろしさがあった。

自身の弱さから男性に支配されてしまう女性、優しいように見えて異常性を抱えていた男性の気持ち悪さ、そして、女性の解放と、監督が描きたいテーマがブレずに描かれていることに好感をもつ一作だった。


<<エログロおバカメーター>>
エロ ☆×3.0
グロ ☆×4.0
バカ ☆×0.0

・エロポイント
序盤の濡れ場から漂う不穏な音楽、アンディがクレアにシャワーを浴びさせたり、ランジェリー姿の彼女を撮影する場面など、一貫して、それらの場面に不快な感情を抱かせるのは、監督ならではの演出だなと。
互いの孤独を埋め合わせるの空虚な濡れ場シーンの居心地の悪さが半端でなかった。

・グロポイント
決して場面が多い訳ではないが、手の甲にドライバーを突き刺す場面や、ドアに指を挟むシーンなどがあり、それらの後に患部を写す辺りに痛々しさが……。
寒々とした映像の空気感も影響し、観ていて辛いものがあった。
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