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トパーズのkojikojiのレビュー・感想・評価

トパーズ(1969年製作の映画)
3.6
#1202
1969年 アメリカ🇺🇸映画
ヒッチコック27/53

前作「引き裂かれたカーテン」の成績が芳しくなかった1968年の頃、ハリウッド全体が不振に喘いでいた。こうした状況の煽りを受けてヒッチコックコックもやむなくこのレオン・ユリス原作の「トパーズ」制作を引き受けざるを得なかったようだ。渋々だったのだろう、「ヒッチコックらしからぬ映画」と評価されている作品だ。

キューバ危機一髪を題材にしたスパイ映画。アクション映画とされているが、派手なアクションは全くなく、スリラーの要素が強い映画だ。


(ネタバレ注意⚠️)




物語は、東西冷戦の中、ソ連のKGB副長官がアメリカへ亡命したところからはじまる。彼の証言からキューバに対しソ連がミサイルの搬入をしている事実が発覚する。
CIAはキューバにつてがあるフランス情報部のデベロウ(フレデリック・スタフォード )にキューバ潜入を依頼する。
テベロウにはキューバに愛人ファニタ・デ・コルドバもいた。
テベロウは彼女の力を借りてなんとか情報を得ることできたが、亡命したKGB副長官はフランスの官僚と繋がっていたと新たな情報を語る。その暗号がトパーズというのだ。

何故、題名が「トパーズ」なのか、この段階でやっと理解する。

007第1作「ドクター・ノオ」が1962年の作品。この映画は1969年作品だから、この映画の公開までに007は5作品が公開されている。
したがって、この映画公開時にはスパイ映画は007が本流になっていたはずだ。
007を観て、スパイ映画はこうあるべきと一般の客は誰しも思っていたはずだ。
トパーズは007のような派手なアクションはない。あくまでスリラーとしての映画という感じだ。
観衆は007をどこかで意識していたのは間違いなく、物足りなさを感じざるを得なかったのではないか。特に主演のフレデリック・スタフォード は地味すぎる。つまり初めからヒットする可能性の薄い作品だったのだ。案の定、この作品は完全にこけている。

しかし、作品としては、私はそれなりに面白かった。まあまあ程度ではあるが。

2023.05.24視聴232
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