映画大好きそーやさん

自動ソーセージ屋の映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

自動ソーセージ屋(1895年製作の映画)
1.9
映画的SF世界の幕開け。
豚を丸々一頭入れることで、部位ごとに解体してくれる機械が登場する本映像は、初歩的かつあまり飛躍はないものの、明確に描けるリアリティラインが引き上げられるきっかけになった作品と言うことができるでしょう。
それなりに調理と言いますか、加工されて出てくる様は純粋にシュールで面白く、解体の行く末を吸い込まれるように眺めている自分がいました。
あくまで日常の作業のように肉塊を取り出していくのも、空気感的にアンバランスで笑いを誘う演出となっていました。
流れとして解体の終わりまで映しているため、まとまりとしても評価のしやすいものだったと思います。
また、他の人のレビューでも触れられていましたが、どうやら要所要所に社会風刺的なニュアンスも含まれているようで、そういった多層的な視点で楽しめるのも、映像としての深みを感じられ良かったです。
ただ途中からネタがバレてしまうこともあって、展開力の乏しさが気になってしまうのは惜しいポイントでした。
総じて、映画的SF世界の開闢、発想の昇華までは良かったものの、総合的な作品としての面白さまでは詰めることができていなかった映像でした!