映画大好きそーやさん

壁の破壊の映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

壁の破壊(1895年製作の映画)
2.1
破壊という名のダイナミズム。
本映像はタイトル通り、男たちが壁を破壊していく様子を収めた内容ですが、劇伴も台詞もないにも関わらず、大きな音を立てて倒れたことがしっかり伝わってきて、45秒ながら映像に迫力が感じられました。
機械を使って壁を倒したところまでは良かったのですが、その後は男たちがツルハシで小さく崩していく作業になってしまうので、オチとしては弱かったかなとも思います。
ここにレビューを残している皆さんのように、世界初の逆再生が凄いだのという文言は書きません。
あれは本編ではなく、単なる事故、手違いでしかなく、映像の評価対象には入っていないと判断しました。
確かに、逆再生された映像は残っていて、それがノーランの『TENET テネット』にもつながったとあらば、言いたくなる気持ちもわかります。
ですが、そこに本映像の本質はないでしょう。
明らかに制作意図の範囲外ですので、揃いも揃ってその点ばかりを評価しているのは正直気持ち悪いと思ってしまいました。
総じて、壁の破壊という動的ダイナミズムが、克明にフィルムに刻み込まれた1本でした!