xavier

きっと、いい日が待っているのxavierのレビュー・感想・評価

5.0
昨日は変えられない。でも明日なら…
1967年、コペンハーゲン。労働者階級家庭の兄弟、13歳のエリックと10歳のエルマーは、ガンを患う母親と引き離され養護施設に預けられるが、その施設では教師による体罰が横行していた。さらに上級生たちのイジメの標的になった兄弟は施設から逃げ出そうとするが連れ戻されてしまう。
そして連れ戻されたエリックとエルマーには、もっと過酷な運命が待っていた…
ストーリーはこんな感じ。
デンマークで実際起きた事件を基に作られた作品。
"トガニ"や"ソウォン/願い"と同じぐらいの胸糞映画だったわ。

父親が自殺し病気を患う母親がエリックとエルマーの面倒をみていたが、母親がガンで倒れ養護施設に預けられる事になったエリック&エルマー兄弟。
そんなエルマーは"内反足"という病気を患っていた。

養護施設に預けられた日のシーンから胸糞な展開は始まる。ヘック校長から「大きくなったら、何になりたい?」と言われたエルマーが子供らしく「宇宙飛行士!」って答えると、いきなりエルマーを平手打ち!
そしてそれに抗議したエリックも平手打ち
"えっ?何で?"って思ってしまったわ。
"夢なんか持つな"って考えから平手打ちをしたらしいけど、そんな暴力を振るう?
でも、まだまだ序の口だったんだよね。
養護施設内では"しつけ"という名の"体罰"
が行われ、平気で子供たちに暴力を振るっている。さらに上級生たちのイジメも陰湿
早速、エリック&エルマー兄弟は標的にされる。そんな事にビックリした兄弟は逃走するんだけど、連れ戻される。
そんな兄弟に仲良くなったトゥーヤは「生き残るためには幽霊になれ」と助言をする
"目立ったことはするな、歯向かう事もするな"って事だったんだよね。

なんか自分が腹が立ったら暴力を振るうって感じなんだよね、校長をはじめ先生たちって。また教師の悪行は暴力だけに収まらないんだわ。夜な夜な、生徒たちが眠る部屋に入ってきて、まだ幼い子どもを連れ出し性暴力を行う、自分の欲望を果たすために。そんな教師の中で女性教師ハマーショイだけは校長たちには従っているものの、暴力は振るわなかった…
と、唯一の希望だったのに、あんな最悪な事をして、自分は逃げるなんてねぇ…

まぁ、ずっと可哀想だったわ、エリックとエルマーは。信じていた大人たちには裏切られ、何にも希望を持てなくなってたんだから。だから15歳になったら、この学校から出ていける許可書だけが彼らの心の拠り所だったのに…
ホント憎々しかったわ、特にヘック校長!
検査官とか来た時には、いい服を着せて、さも生徒たちを大事にしてますよ的な、上っ面だけよく見せる。それ以外は、高圧的に振る舞い、口答えも"許さない!"って感じだったしね。

だからこそ、あのエルマーの勇気ある行動には泣けたわ!それに兄弟愛にも、泣けたわ……
いゃあ、多くの人に観て欲しい。
因みに、憎々しい校長を演じてるラース・ミケルセン。名前を見たらピンとくるかもしれませんが、あのマッツ・ミケルセンのお兄ちゃんです。やっぱ兄弟、なんとなく面影が似てます…
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