ゆず塩

シェイプ・オブ・ウォーターのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

【一言あらすじ:人間の女性が捕えられた半魚人の事を好きになり、彼を助けようとする話】

【大まかなあらすじ:
研究所で働く発話障害をもつ女性が、研究所に運ばれてきた半魚人に興味を持つ。
半魚人は、殺傷処分され解体されそうになる。
女性が、半魚人を研究所から助け出す。
女性は、数日後に運河が水で満たされるので、そのとき半魚人を逃がそうと計画を立てる。
家で女性と半魚人が結ばれる。
半魚人を逃がす日、研究所の追っ手が半魚人の居場所を特定して追ってくる。
女性は追っ手に撃たれて倒れるが、半魚人が追っ手を殺す。
半魚人は女性を連れて川に飛び込む。半魚人の特別な力で女性は回復。さらにエラ呼吸を手に入れ、半魚人と一緒に水ので抱き合うのだった。】

【テーマ:異生物間の恋物語】
人間と怪物(半魚人)の物語を描きたかった、ただそれだけではなかろうか?
良くも悪くも大人の寓話という印象。
……多様性とかもあるかもしれないんだけど、あまり分からなかったです。

【面白ポイント】
ラスト30分からが楽しかった。博士が銃で撃たれたりしている所。
唇持って引きずられてて、めっちゃ痛そう。
ストリックランドが、博士に銃を向けながら飴玉の話をするのは例えとして上手で面白かった。
飴玉をゆっくり舐めるように拷問することも出来るってわけだよね。
そっからゼルダの所にも行って、ゼルダを追いつめて。
イライザを追いつめて、と。

全体的な設計はしっかりしていると感じた。
ストリックランドが「失敗は許されない」と言われた後に、イライザのカレンダーで「人生は失敗の積み重ねに過ぎない」と書かれていたり。2人のスタンスの違いが良く表れている(ただ、だから何なんだろうって所まで読み取れなかったんだけど)。
ジャイルズが、仕事の失敗とパイ店の店員にこっぴどい嫌われ方をして、イライザの手伝いをするようになるとか。
上手いなー、と思う点は色々とあった!

【その他】
いい所もあるけど、色々と分からなくて付いていけなかった点もある。

イライザがどこから半魚人を好きになったのか良く分からないし、共感も出来ず。イライザが、異生物を愛する特殊性癖だったと理解するしかないような気がする。イライザの境遇が厳しくて、半魚人しか意思疎通が出来る人がいなかった、というのならばまだ分かるけれども。
気持ちも共感できないし、頭も理解できなかったから、「イライザと半魚人が結ばれて欲しい!」とはどうしても心から思えなかった。頭では思ってたけど、腹落ちしない感じ。

感情的についていけないから、理屈で色々見てたせいか、色々と冷静に観ちゃったかなー。

言葉の通じない相手との恋愛って本当に難しい、そう思いました。だから、直接的な性描写も多くして、二人の愛情を表現したのかなと解釈しました。
ゆず塩

ゆず塩