井手雄一

シェイプ・オブ・ウォーターの井手雄一のレビュー・感想・評価

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とてもよかった。
サリー・ホーキンスの演技見事ですね。
スーツアクターのダグ・ジョーンズの佇まいや動き、スーツのデザインも凄くセクシー。もうすぐ60とは思えない。

60年代のアメリカが舞台でセットや風景、衣装やミュージカルも素敵だった。
ギルレモの描くダークファンタジーは、あちら側とこちら側を、どちらかというとその境界(狭間)にいる人たちの視点で、現実側に恐怖が実在して、あちら側への憧れを描くのだけど、今回も逆説的構造の人魚姫という素晴らしく想像力を刺激する設定になってました。
パンズラビリンスもそうだけど、弱い者たち視点の人間ドラマがメインであり、ファンタジーや怪物は要素や隠喩として入りこんでいるだけなので、手塚治虫の漫画みたいで好きです。
冒頭一人で水中で寝ているシーンと対比し、最後に彼女の傷が鰓となり、水中の闇へと落ちていくおとぎ話的な美しいシーンのために作られた映画と思えるほど、最後のシーンは綺麗でした。
井手雄一

井手雄一