となりのデルトロ

シェイプ・オブ・ウォーターのとなりのデルトロのレビュー・感想・評価

4.5
まあこのハンドルネームからも分かる通り・・
僕はギレルモ・デル・トロ監督の大大大ファンなので、当然、初日鑑賞。
評判の非常に高い映画だけど、観る前はなぜか気持ちそこまで盛り上がらず。
観た結果は・・

ほんとシンプルに、素晴らしい映画だった。
デルトロ、さらに上のステージにいったな、と。
やはりただのオタクじゃなかった(笑)
今までで一番好きかはともかく、今までで一番「オトナ」な映画になっていたと思う。

寓話という形ではあるけれども、ここまで現代社会の問題を直接描いてるとは思わなかったし(もろトランプのようなキャラが登場する)、バイオレンスも容赦なく描いているし(棒で魚人を虐待するシーンの痛々しさ!)、そして今までのデルトロ映画では割と避けられていた「性」についても、この映画は堂々と描いてる(なんたって映画始まってすぐ主人公の女性がオナニー始めるし)
監督作全部観てる自分としては、その辺が一番興味深かったかな。

あとデルトロ監督言えばなんといっても映像のすばらしさが特徴だけど、この映画もOPから一気に引き込まれた。
なんというかとにかく画面が「豊か」なんですよね。重厚感があって、色彩感があって、隅ずみまでこだわりにこだわり抜いて作ってるのが伝わってくる。
とても低予算とは思えないくらいリッチで品格ある画作り。
中でも特に素晴らしいのはやっぱり魚人の造形で、まさに芸術(そして鳴き声も)
全てのものが水の中に沈んでるOPも美しかった。

他にも役者陣のすばらしさとか、サスペンスの作り方が上手かったとか、音楽も良かった!とか書きたいこと色々あるけど、長くなるので割愛。

全然書きたいこと上手くかけてないけど、とにかくとびきり美しく、切実な寓話だった
ハッピーエンドなのも本当に良かった。
デルトロがパシフィックリム2降りてまで作ったのも良く分かる、デルトロの執念を感じる一本。