朱音

シェイプ・オブ・ウォーターの朱音のレビュー・感想・評価

4.5
どんな姿をしていようと純粋な愛があればそれはとても美しいと再確認させてくれる作品だった。コミカルな音楽と作品の背景との違和感が逆に調和と取れなくもなくて。ときおり鼻に付くような異臭、不快感のする作中でただ寄り添って水中に漂う2人は「神」そのもの。異種間であろうと声が無かろうと関係なくて、そこら辺のファンタジーよりも生々しく活き活きとしてた。障害には様々な事例があるのは知ってるけど、耳は聴こえるのに声に出せないってどんなにもどかしいんだろって終始考えてしまう。音楽が好きな彼女にとって声が出せないというのは地獄と同じなのかな。彼女の傷について多くは語られていないけれど彼が付けた「印」だと思いたい。今、この時の為にって。運命とはそういうものだし。
この話は少女の頃に出会ったクリーチャーと御伽噺を紡ぐ孤独な女性の夢、、かな。メインの食事が卵なのはそんな彼女の「羽化」をイメージさせる。
朱音

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