顔を変えて名前を捨て去り、陰から彼女を守る男。
二人の関係から小説『白夜行』を思い出した(映像は未見)。そのせいなのか、語りの展開の多さか、活字として読みたくなった作品。
ホラージャンルに入っていたので『悪の教典』の類かと思ったら、かなりの純愛モノで却って驚き。
とはいえ狂人系のサイコ役はしっかり登場。こういった役は大仰だったり、それこそ芝居がかったりするものだけども、先月『野火』で見た中村達也さんだったのでとてもハマり役に思えた。
付きまとってくる刑事役の柄本明さんも素晴らしい。疑いと執着がダダ漏れ。
けっこうフラグ立てあったけれどスルー。こちらは原作でどうなのか気になる。今度飲もうとか、次まで小物預けとくとか。
138分と決して短い訳ではないけれど、小説の実写化で省かれる量はかなりのものだろう。マンション玄関にとまっている蝶ってなんだろ? 説明シーン見落としただけ?