こぅ

悪魔の手のこぅのレビュー・感想・評価

悪魔の手(1943年製作の映画)
4.3
'22〜'23冬のホラー/ミステリー祭②

「人生は短く 地獄は永遠だ」

[ファウスト神話]をもとに描かれた、ジャックの父、モーリス・ターナー監督による、コメディ入り【古典ホラー】。

名声や富や美女が手に入る、、
その代償は、悪魔に 魂 を売るのだ‼︎
という、典型的なプロットのクラシック。
これは後世受け継がれる全世界の定番であろう。
日本では、梅図かずお、つのだじろう、、


アルプス山脈が一望出来る、修道院ホテルに集う人達。
そこに左手の無い、小箱を抱えたロラン・ブリッソー(ピエール・フレネー)が訪れ、信じられない過去の出来事を回想してゆく…。


回想式って、主に観る者を没入させる役割であろうが、大抵はボロ(突っ込み)が出るからやめた方が良い。
本作も然りだ。

売れない画家、ロランは恋人、イレーヌ(ジェセリーン・ガエル)に振られたレストランで、主人から願いの叶う左手の入った小箱を無理矢理1スーで売りつけられる。

途端に
左手が器用になり、書く署名が、マクシミュス・レオ。
人生が一変するが、、

黒服の老人 悪魔 がいつも付きまとうようになる。

ある日、老人と対面。
ロランは、手を手放し(魂を買い戻し)たくなり、、
日毎に倍々になる意地悪さ。
1が2、4、8スーに、、
23日目には、209715フラン20サンチームに膨れ上がっていた‼︎

しかし、
悪魔だけにロランの魂を絶対買い戻し出来ないように、運命と、時には時間まで自在にコントロール(意地悪)するのだ。

そのやり方がエグい‼︎

金が作れそうな良い線まで行かせて⤴︎落とす⤵︎
悪魔だけに何でもアリな強引展開系なのだが、それを 突っ込ませない かのようなテンポとスタイリッシュな演出が、観る者を 力技 でグイグイねじ伏せるのだ。

滞在ホテルにて、
過去に手を保有していた7人の男達が現れて過去を遡って各人が簡潔にバトンタッチして語る 演劇タッチ のシークエンスがハイライト‼︎
その7人が、豚やライオン等の 被り物 をして登場が不気味で、現代のホラー&スリラー系にも受け継がれているだろう。

回想のホテルに戻る。

修道士、マクシミュス・レオの◯に手を戻せば報われるのか⁈完結するのか⁈


急ぎ足で迎えるラストが皮肉。
人間の愚かでみにくい 欲望 を描いている。

やはり悪魔は、弱き人間の心 に付け入るのだろう。
決して隙を見せてはいけないのだ‼︎
こぅ

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