あゝ、荒野 後篇のdejipeiのネタバレレビュー・内容・結末

ご都合主義的だなと一度感じてしまうと敏感に反応してしまう。あいつとあいつは親子関係で、こことここは過去の因縁があってって世界狭すぎんか。映画のストーリーをコンパクトにするため、ラストのシンジとケンジが殴り合うシーンでみんなを集めて泣かせるために構成されていると考えざるをえないなと残念になってしまった。

最初の競馬の血統に関する会話、途中から自分の両親が宿命づけられていると感じ競馬に擬えていくシーン。少年漫画にもよくある実は主人公の両親がすごい人だったと後で知ることになるというがっかり展開に対するアンチテーゼについては面白く見ることができた。

新宿や世の中という外的な荒野、そしてそこに暮らす人間の心の中の荒野が描かれていて、ああ荒野だなと思った。バリカンの最後の言葉、一人の人間が存在することを証明せんがためのボクシング、細かなディテール抜きに見ると描きたいテーマについては面白く鑑賞することができた。