全体的に荒らさが所々あったが、集中を削がれるようなことはなかった。
元テレビマンユニオンの監督ということで是枝監督っぽい演出もあったが、その部分は浮いて見えた。
また回想が多く、まだるっこしく感じ若干食傷気味になった。
違う所からやってきた人々が新宿に集まり、その人達に特別な因果関係があるという世間の狭さやシナリオ上の都合が見え、やり方としては強引に思えた。
しかし、それらを越えて大きく広げた風呂敷がどうやって繋がり一つになるのか想像できず、徐々に繋がり始める物語に気持ちが乗せられ、スポ根的要素も相まって最後まで自然と作品に感情移入していた。
小出しにしていく感じは、少し嫌な印象もあったが、それまでの物語全ての回収の仕方が素晴らしく、力技的ではあったがラストが絶妙に良かったため、全体的に好印象な作品になった。