むるむる

アナと雪の女王2のむるむるのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.0
壮大なファンタジー世界観、映像美を浴びられるという意味で評価高めだが、個人的にはなんだかふわっと違和感とかコレジャナイ感を覚えた作品。
1作目のテンションで公開当時観に行って、「へえ…そうなるんだ…?」と想像を裏切られた感じ。

というのも1作目と方向性が違いすぎる。(必ずしも前作と同じ方向性でなければならないとは思ってはいないが)

1作目が個人やその身内との関係性に抱えた問題、感情にフォーカスした内向きな物語であるのに対して、2作目は真実を解き明かし世界を救う系壮大外向きファンタジー。
1作目で個人の問題が解決したのだからそれでいいのかもだが、続編はまた別の個人の物語になるのかなと思っていたのでびっくりした。
自分のルーツを探るという意味では個人の話だけど、ちょっと毛色が違うような…

私はアナ雪1作目にどハマりはしていなくて、まあこういう方向性もあるか…と受け流せたが、一緒に観に行ったアナ雪ファンの友人が激憤+落胆していて彼女の感想にも納得した。
彼女の言葉を引用すると…1作目が「人でなくなろうとしている姉を愛の力で繋ぎ止める物語」だったのが、2作目だと「姉は神(的な存在)になり妹は人間としてそれぞれの道を進む物語」になっていて真逆の方向性じゃないか…とのこと。
一応完全に離れ離れではなく、恐らくたまに会うような、もののけ姫サンアシタカ共存スタイルっぽいが、1作目とのギャップは確かに感じた。
まあエルサも自らの力を恐れなくなったし、力で人を傷つけることを恐れて孤独を選んだ1作目とは違う、目的あるポジティブな離別なのだとは思うが…結局離れてしまうのかーという……

というような感じで、別に物語がめちゃめちゃに破綻しているとかではないのだが、思ってたのと違ったなーという感想。
1作目ありきの2作目だが、それぞれ別物の作品と捉えた方が個人的には観やすい作品でした。