シネマスナイパーF

アナと雪の女王2のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
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キャメロン的ド派手なシフトチェンジ
これはこれでいい


前作の曲たちの圧倒的パワーには押し負けるものの、今作の音楽も本当に素晴らしい
前作の時点でバリエーション豊かだったのに、さらに幅が広がった感じがするね
そのオープニングを飾るお母さんの子守唄はタイトルの出るタイミングもバッチリで、これぞ続編を観る時のワクワク感!を味わえた

クリストフのアレ、間違いなく話の展開として必要ないが間違いなく今作のハイライト
森はよく知っているよ、と言っておきながら、ね
見せ場作ってやるためにねじ込んだ感半端ないのに超気合いの入った本気の80〜90年代ラブソング
いや〜〜最高にバカだねコレと思いながらもめちゃくちゃ笑ったしめちゃくちゃ心掴まれた
Weezerバージョンはちゃんとカッコいいってのがまたわざとダサくしてた感じが際立っていいよな
空想のスヴェンやたらいい声だし

Do the next right thing.
序盤からキーワードとして連呼されていましたが、まさかあんな形で歌として披露されるとは
アナに哀しい曲やらせてもオッケーなのは前作のスノーマンでも実証済みでしたね
前作ではクリストフに力を借りて岩場を登っていましたが、今回は自分自身の力で正しいことのために這い上がっていく
初めに聴いた時は少しとっつきにくい曲でしたが、聴けば聴くほどいい曲
エルサのShow Yourselfも超いい曲だし、今作のサントラはスルメで聴けば聴くほど味が出る
話はより派手になったのに曲が渋くなっているのが割と僕的にはすげーグッときた


エルサは完全にスーパーヒロイン
スーパーヒーロー着地もするしな
海に突っ込んでく前に波を前にして眉間にしわ寄せて小刻みに頷くとこ最高に好きだわ
それでいてあの声、そして滲み出る包容力!!
なんなんすかねあの色気は
しかし最後に彼女が歩む道は俗世間から離れた場所

最近のディズニーは「これまで共に過ごしてきた人と別の道を歩むこと」をチョイスする話ばかりだという意見があり確かにそうだなと
シュガーラッシュしかりトイストーリーしかり
ただやっぱりそれぞれそのシリーズだからできる話をやっていてシリーズの流れを踏まえているからちゃんと別物になっていると僕は思う
シュガーラッシュは子離れ、トイストーリーは定年退職
今回は前作のエンディングをさらに延長したような、同じ女性でも別々の役割を持ってそれぞれの道を歩めるという着地にしている
存分に能力を活かして我が道を全うするもよし、素敵な出会いで異性と幸せを築くもよしという話をよりはっきりと打ち出した

ノーサルドラの連中と自己紹介し合って友達になったはいいものの別にだからなんだとなっちまってるのは否めない
やたら大規模なオブジェクトを作るだけ作って話は聞こうとしないってのは色々なこと揶揄したかったんだろうなと汲み取れなくもないかな
対立よくないよ!!戦争繰り返さないで!!子孫に迷惑かかるよ!!ってね
あとこう言ってしまうとご両親に申し訳ないが、エルサが優秀すぎるのもあるんだろうけどアートハラン思ったより近く感じるな…
何がこの物語の芯だったのかをハッキリと定義しにくく感じたので、やはり一作目の奇跡的とも言えるパワーはどこかに行ってしまって確実に弱体化したのも事実だと思います
前作が荒々しくも確実に腹パンきめてきたのに対し、今作は真正面からリアクションしにくい程度の予告ビンタ喰らったみたいな…変な表現ですみません
オラフが絶対的コメディーリリーフエースとなっていて頼もしさすら感じた

これはもう言わずもがなでしょうが、やはり映像が凄いなと
今回は物語上重要な「水」の表現がエグい
特に鳥肌が立ったのはエルサが水で現場検証するとこですね
あの雨粒のような雫の美しさには心底感動しました


単純にアナ雪大好きだからってのもあるけど、僕はシュガーラッシュ2に引き続き素晴らしい続編を観せてくれたと思っています
これでおしまいだよねとか言ってたけど、僕はアナもエルサもクリストフもスヴェンもオラフも本当に本当に大好きなのでなんぼ続編出してもついて行きます笑