星降る夜にあの場所で

太陽は夜も輝くの星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

太陽は夜も輝く(1990年製作の映画)
4.2
何となく思い出した作品。
確か地方の名画座で観た気が…
『神父セルギイ』を読んだことがあったので興味がありました。

果たして、人間は神にどれだけ近づくことが出来るのだろうか?
主人公のように一度は王の副官にまで上り詰めてしまった人間には、困難極まりないことは想像に難しくない。
主人公が絶望の淵から神に救いを求め修道士になり、再び絶望感を味わうまでのエピソードが見ごたえあります。
深く紐解けばかなり哲学的なストーリーですが、単に人間の弱さ(自尊心、虚栄心、肉欲、高慢さ)をことごとく思い知らされるということを実感させられるだけでも見る価値ありかと思います。

他の作家にもよく言えることですが、もしかすると本作の主人公もトルストイ自身の分身として書かれたものなのかもしれません。