真田ピロシキ

ライオン・キングの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
2.5
ダーウィンが来たを見たほうが面白い。なんの感動があるんだこれ?CGクリエイターの仕事はわかるが、思い通りにならない自然を相手にするネイチャードキュメンタリーの感動はこんな紛い物の自然とは比べ物にならない。アニメーションなら現実にない世界の楽しみがあるのに、これは現実もどきでしかない。ワンダーがないんだよ。しかも実写風にしたせいでライオンやハイエナの区別がつかないんだ。ディズニーのアニメ実写化はしょうもないものが多いが、これは一番ダメと思う。

話もなー私は王の話が嫌いなので、行方をくらませていた王子が帰ってきて圧政者から解放するなんて気にいるはずがない。こんなボンボンを待つのではなく蜂起しろよ。そんな受け身でどうするんだ。マッドマックス怒りのデスライオンだ!水を支配するイモータンスカーおじさんは大して強くないから勝てないことはなさそうだけど。死んだ親父がボンボンにお前は選ばれた存在だーみたいなこと言ってやがってそこも気に食わん。自然に世襲はないでしょ?自民党ライオンか。私の中では『バーフバリ』に並ぶ気色悪い血統主義のストーリー。ボンボンがあの映画よりはマシなボンボンなので怒り狂いはしないが、古臭い話でどうして今頃こんなのをという思いが拭えない。最後は後継も産まれて安泰。世襲万歳。自民党ばんざーい。ライオンの世界にまでLGBTQにしろとか言うつもりはないがこれはないよ。こんな無難なだけの実写を作ってディズニーは満足なの?アリエルが黒人になるけど、それ以前の問題としてそんな大した映画になる予感がしない。こんな面白くない実写化より色々模索する日本の実写化の方がまだクリエイティブを感じられる。