このレビューはネタバレを含みます
いや実際ラストライブがすごかったのよ。ドームの上からガーッと降りてきてフレディに寄るカメラワーク、なんだありゃ。ドローンですか。そうですか。すごいね。
選曲もよくて、死にたくねぇ、俺たちは勝者だと、めちゃくちゃそこまでの仄暗い闇をぶっ飛ばす仕上がり。
ここだけで価値がある、と敬愛する超映画批評でも絶賛されてた通りだなとおもいます。そやね。
そこまでの展開はチープとか語り尽くされた手法とか、(これは別に超映画批評の話じゃないけど)そういう論調もあるらしい。ある程度はそうかなとおもう。
孤独と反省と赦しがあまりにスムーズに行われていて、ある種の軽さは感じた。
あーでも再結集時の「許そう、帰っても?」はよかった。そうなんだよね。許して何を求めるかが重要であって、その対価の話なんだよな。ギターの人、ずっとめっちゃいい味だった。
喧嘩を諌めたり、君が思ってる以上に君には僕たちが必要だ、と進言したり、君は本当にたまにクズだなと指摘したり、イケメン満載でした。
この人が感情論で語らなかったから、スムーズだったのかもな。こういう人でありたいですね。
セクシャルマイノリティの話込みでいうところの、性自体がその人の価値を決めることはないけれど、それでも人とわかり合うことに直接的な難しさを感じるのは事実よね、というのはリアルなところ。
子供を含んだ家族を持てないことに疎外感を得る、というのはどう頑張ってもそうだものな。
実際はもっと複雑なというか、細かい感情の機微はあるにせよ、俺以外お前らには家族がいる、俺にはいない、という構図から一度闇堕ちしてのラストライブという脚本をみるに、やはりそこに山場を持ってきたかったんだというパワーを感じる。
そういう意味ではわかりやすくて、チープとかの批判はありにせよ、たくさんの人にウケたのだと思う。
時代はもしかすると、わかりやすさを求めているのかもしれない。