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ボヘミアン・ラプソディのmitzのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.5
ロックバンド"QUEEN"のフロントマン、フレディー・マーキュリーの生涯を描いた作品。
バンド結成からレコード会社との対立、そして商業的戦略から彼自身の性的嗜好の変化までしっかり描かれています。登場人物たちの容姿はもちろん、ライブパフォーマンスの再現性は見事です。オリジナリティというよりもレプリカという表現が相応しいと思います。
ロックスターの代名詞であるセックス&ドラッグの描写は極めて少なく、物語は至って美談です。シンプルに娯楽性に特化し、「ドアーズ」とは対照的な作品です。
残念なのは、フレディーが闘病のため表舞台から姿を消し夭逝するまでの約5年間が描かれていないことです。故人の尊厳も守られるべきですが、死後四半世紀以上経った今こそ語るべき真実もあったと思います。
フレディー・マーキュリーの人生とは云わば自業自得です。ロックスターとして成功し、天狗となり仲間から見離され、同性愛に目覚め感染症により命を落とします。それら全ての挫折や悲壮感をラストシーンとなるLIVE AIDのパフォーマンスが一気に昇華させ心を動かされました。

"POWER OF MUSIC"の一言に尽きます。下半期で最もグッときた作品(暫定)です。
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