こつぶライダー

ちはやふる ー結びーのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
4.5
安易な気持ちで観た上の句で心奪われ、下の句で確信に変わり、期間が空いてもなおその熱冷めやらず、その結果明日朝から仕事にも関わらず夜な夜な深夜弐時まで鑑賞し、結びに至る。
紛れもない、青春映画の金字塔。感動をありがとう!

上の句・下の句の時点で、この面白さは世間一般の人から映画マニアにまで広く感じてもらえる作品だとわかっていた。
しかし、その魅力を最大限に引き出した二部作の続編というのには、過去作を上回る期待をかけられる運命にある悲しさ。
3作品全てが期待値を上回ってくるシリーズはバック・トゥ・ザ・フューチャーくらいか?
いや、バック・トゥ・ザ・フューチャーでさえ3より1,2が人気高く、その差も大きい。
そうなると、名作すら優に超える三部作ということになる。

お恥ずかしながら、原作は未見で、再現度やら物語の違いやらに言及することは出来ない。
ただ、この映画を通して様々な学びもあったし、映像で、この配役でだからこそ感じ取れた良さは間違いなくあったと言い切れる。

この作品をレビューする際、いくつかの低評価レビューにも目を通した。
先程言及した原作との相違以外では、物語自体への意見や俳優陣への意見が見受けられた。
私からしたら、俳優陣に文句はつけられないどころか、大絶賛したい。それくらい頑張ったと思う。
ストーリーについては、原作者とやり取りをしながら原作にはない続編の形を丁寧に描いていたこと。そこはむしろ評価を高くしたい。

1作目からずっと部長の太一の態度や行動が生き透けなくて、どちらかというと嫌いだった。それに反して新は真摯でいつも優しい姿勢から高評価。

そっから大逆転満塁サヨナラホームランを打ってのけたのだから、脚本の勝利。太一、頑張ったな。

改めて、千早を演じる広瀬すずさんの瞬間風速に驚いてしまう。あの透明感は罪だ…彼女をキャスティングしてしまえば、こっちのもんという作品もいくつかあるだろう。何とは言いません。こういう無二の才能は育て上げなきゃなりませんね。
他のキャラクターたちの魅力も、前作に引き続き最大限引き出している。そこが人気の秘訣であると分析。

この作品の最大のポイントは、タイトル"結び"からもわかるように、シリーズ完結編ということで、いかにまとめられるか。そして、ラスト。そこに評価は凝縮される。
無論、まとまりに関しては文句のつけようがないくらいの完成度だ。どうしてもこれまでの二番煎じ・キャラの同窓会で終わる作品が多い中で、しっかりと2時間にここまでのクオリティで凝縮した作品はなかなかないぞ!
ラストに関しては、原作を知る人の中では低評価とする方も中にはいたが、私からしてみたらこの上ない締めであった。

ここまでつらつらと書いてきたが、百聞は一見にしかず。まずは上の句を観てみて下さい。観ればわかる、結びまで観ないと気が済まなくなるから。
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