このレビューはネタバレを含みます
公開時期の問題で劇場公開も危ぶまれたX-MENのスピンオフ作品で若いミュータント達の物語。
本来なら新しいシリーズの第一弾のはずだった作品で、小粒だが前評判ほど悪くない。
ジャンルとしては一応ホラーとしていて、謎の多い収容所などサスペンス要素もある。
これまでのFOXのX-MENシリーズより質感としては『アンブレイカブル』から始まるM ナイト・シャマランのシリーズに近いか。
施設管理がガバガバでレイエス一人に任せてるのは単純に登場人物を少なくするため?
ミュータント能力の見せ方もどことなく低予算感が漂い、そんなところもシャマラン映画チック。
尻すぼみな終わり方もダメな時のシャマランっぽい。
(アニャ・テイラー=ジョイも出てるし、多少意識してる気がするのだよな……ジャンルをホラーとしてるとこも含め)
ただ、登場人物は皆魅力的で、これからまだまだ彼らがチームとしてまとまっていく様を観たかったものだと思う。
ダニとレインのカップルはとてもキュートだし、
(後からわかるが初っ端イリアナのせいでバイオフィールドに弾かれるダニを追ってたり、最初から気になってたんだろうなw)
一切恋愛関係に絡んでないサムが一番面倒見が良くて良い奴なのも青春ものあるあるである。
大泉洋的なまたしても何も知らないサムとしての今後も楽しみだった。
イリアナも一応新入りをいびる役なんだろうけど、陰湿さはなく可愛らしい問題児という感じだ。
「結婚したい」とか言ってるロベルトは『進撃の巨人』のライナーみたいで笑える。
各々の過去もさらりと語られ、この第一作で距離を縮めて、ここからまだまだ魅力を引き出せたであろうチームだったので、この一作で終わってしまったのは残念だ。
(『ローガン』のアースという、MCUからすればマルチバースのマルチバースだったし、今後もうMCUで補完はされないだろうなぁ……)
『ローガン』を前振りに、X-MEN正史シリーズとは明確に世界を分けて若きミュータントの世界を描こうとしたんだろうが、FOXユニバースと共に打ち切られてしまった。
まだまだ面白くなる芽は沢山あったチームだったように思うのだけどね。
キャストも皆当時20代前半。
充分10代の若者を演じられた時期だが、今となればさすがにキャリアを重ねて貫禄も出てきている。
今更新世代ミュータントの続きをやることも難しいだろうなぁ……。