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ニュー・ミュータントのPalakのレビュー・感想・評価

ニュー・ミュータント(2020年製作の映画)
3.5
かなり待たされてただけにちょっと不安だったけど、Xmenのアイデンティティをしっかり継承しつつ、よくまとまった青春SFホラーになってて、個人的には結構納得できる出来だった。

そもそもXメンってのはマイノリティの苦悩や差別を描いたシリーズで、社会から異常者のラベルを貼られた彼らが自身のアイデンティティや社会的地位をどう築いていくか、というのがテーマ。今回はそこをティーンエイジャーの成長に絡めて、自身の能力(人との違い=個性)によって間接的に自分を苦しめた若者たちが、大人からの矯正に負けず、自分自身と向き合う/自身に対する恐怖と向き合う、という結構ド直球な青春ものを、ホラーテイストでやっていくというなかなか興味深い内容だった。

正直ホラーとしてはかなり物足りないものの、ネイティブアメリカンをフィーチャーしてたり、同性愛を絡めたりのポリコレをナチュラルに取り入れつつ、印象的なセリフや分かりやすいメタファーなど結構伝わりやすさも重視してたり、なによりアニャ・テイラー=ジョイの近年まれに見る中二病ど真ん中キャラに萌えられたりと見所を詰め込みつつ、90分ちょいにまとめてスピーディに観られるお得感。特にアニャの中二ぶりがかなりリアルで、そういえば前にわざと英語になまり入れて話すイタいティーンの知り合いいた事を痛烈に思い出した。こっちでの中二あるあるなのかな。

とにかく現代の青春ものとしてかなり上手くできてる秀作だと感じた。
やはりXメンに当たりは少なくない。

ちなみにめちゃくちゃ見たかった訳でもないのに何年も公開を待たされ続け、無駄に期待値の上がってしまったこの作品、実はようやくチケット買って行った日に劇場で停電起きて一度帰されたのだった。こうなったらもう一生見られないんじゃないかと疑いつつ再挑戦した今日、ついに鑑賞が実現して感無量
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