阿房門王仁太郎

リングの阿房門王仁太郎のレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
4.0
黒沢の『CURE』程に映像が面白いとは言えないが、かなり丁寧にホラーにおける探偵、厄払いの過程を映していたと思うし、それが後半のちゃぶ台返し(呪いを解く方法は慰霊ではなく呪いの複製や伝道)を強烈にする。また、その意表自体もフラッシュバックで垣間見れる貞子のキャラクター(母親にいちゃもんをつけられ、父親に井戸に突き落とされる。)を思うと余り無理が無い(あそこまでマスコミや学者─父親に親子共々凄惨な目に遭わされるなら、周りにそれを伝えろと言う程怒りが強いのは何となく分かる)。
幾重にも重なった事実から犯人を探り当てた果てにその無念を伝える使命を(図らずも)帯びると言うのは娯楽映画でありながら極めて文学的な使命、落着のような感覚を受けるし、逆に、これ以降の「他人を巻き込む系」のホラーはその動機が不明すぎで形骸化してる気がする。
阿房門王仁太郎

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