camuson

リングのcamusonのレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
3.5
鈴木光司の原作3部作の中でも、第1作リングは、ホラー色が強く、
遺伝子コピーによる生物の増殖モデルを電子媒体に適用するという
当時としては卓越したアイディアと、
それをホラー作品に仕立て上げた手腕に鳥肌が立ったのを今でも覚えています。

原作がヒットしてから映画化まで、かなり時間が経っていたので、
映画ヒット時は、ちょっと今さら感があって見そびれてしまいました。

死者の驚きの表情が素晴らしいです。

呪いのビデオの静的な不気味さがなかなか良いなと思いました。
原作ではもっと動的なシーンが含まれていたような気がしますが、
むしろこれでいい気がします。

例の貞子がテレビから出てくるシーンは、思わず笑ってしまいました。
怖さという面では、正直どうかと思いますが、
新たな萌えキャラ誕生という面では、
エポックメイキングな出来事ですし、評価しないわけにはいきません。

映像というメディアなので仕方がないのですが、
限られた尺の中で、生き残る方法に辿り着くまでのタメをつくるのが難しく、
カタルシスが得られづらいですね。
原作のキモの部分で、原作のネタバレになるだけに、
もう少しやりようがあったようにも思います。
camuson

camuson