ガリガリ亭カリカリ

リングのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
4.7
見たら死ぬビデオ映像がやっぱり発明で、本作以前にも以降にも存在していないエポックメイキングな禍々しさが強すぎる(と書いていて思い出したが、高橋洋は『CURE』劇中に登場する催眠ビデオ映像をかなり参考にしたらしい)。
観た映像が網膜に焼き付き、肉体に呪いが伝播して死亡するという、映画を観るという行為それ自体の原初的恐怖のような厭さ。宮崎勤の現場検証をレファレンスにした指差し頭巾の生理的嫌悪感はいつ観てもヤバい。
その後、冒頭で貞子の餌食となったともちゃんこと竹内結子が、その指差し頭巾をするヴィジュアル的なショックさ。

呪いを解くことにそこまで能動的ではなかった松嶋菜々子が、息子が呪いのビデオを観たことによって、自分が死ぬ前に息子の呪いをとかなくてはならないと必死になる、タイムリミットのズレを利用した作劇がうまい。
「なんで観たの!」に対して息子がつぶやく「ともちゃんが見ろって」が死ぬほど怖い。

真田広之がサイキック!って、それはズルじゃんと感じなくもないけれど、作劇上うまいズル。

『ターミネーター』のラストショットみたいなラストショット。

何回も見過ぎて、貞子出現シーンで眼球ヨリになる前から「まつ毛を抜かれた監督助手さん」にしか見えなくなってきた。
高橋洋は、光が当たっていると幽霊に見えないって言っていたけれど、いやそれもそうだけど、井戸から出てきたんだからもっと泥まみれでずぶ濡れの方が怖いのではと感じる……