しゃけ造

リングのしゃけ造のレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
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ひさしぶりに見た。改めて見ても流石すぎる。冒頭から不安感を煽り、締める所は締め、緩めるところは緩めることで、話に緩急がついて恐怖のカタルシスを倍増させている。演出の編集味が少々くどかったが、全く問題にならない。又聞きとしての呪いのビデオの話から思ったが、Jホラーには怪談の恐怖があるのではないだろうか。映像ではなく、語りと空気感から恐怖を演出し、神話や禁忌に触れるようなホラー感を演出する。無論、映像も一級品だが、そのような空気感がJホラーをホラー足らしめているのではないか。そのように感じさせるものが、この映画にはあった。近年のJホラーは面白い作品がほぼないが、その原因の一つに、この空気感を忘れてしまったため、というのもある気がする。この作品に類するような作品は、現状今後生まれ得ないだろう。一つずつ珠玉の作品を視聴し、削り取っていくのは少しもったいなくもある。