「そのビデオを観た者は一週間後に死ぬ」という呪いのビデオの都市伝説を取材するテレビ局員の浅川玲子。玲子は取材を進める中で、呪いのビデオを鑑賞してしまう。噂が事実であると知った玲子は、元夫で特殊な力を持つ大学教授の高山に相談し、呪いのビデオの解明に乗り出すのだが……。
言わずとしれたジャパニーズホラーの金字塔。主演を松嶋奈々子、脇を固めるのが真田広之、中谷美紀と、今では考えられないほどの豪華キャストも見所の一つ。何より、自転車に乗る真田広之なんて、もう二度と見ることはできないほどの貴重映像だろう笑
今や広まったオチではあるが、呪いを解くには、ビデオをダビングして誰かに見せるしかない。これには特殊な力を持った母親を散々持ち上げた挙げ句、最後には手の平を返して死に追いやった世間に対する貞子の復讐の真意が込められているのだろう。他人の事などまるで考えず、ただ自分さえよければいいと考える人間の本質こそが恐ろしい。それはラストに、呪いのビデオを観た息子を助けるために手段を選ばなかった玲子の行動からも分かるだろう。
奇しくも、真田広之演じる高山が呪いのビデオを観て一週間の日が、ちょうど今日の日付だった。
日本を代表するホラー作品でありながら、近年では貞子がポップアイコンのようにもてはやされ、誰も怖がらなくなってしまったのが残念なところ。あとは、本作では登場シーンが少なかったものの、中谷美紀の演じる舞は、陰鬱な雰囲気に包まれた本作唯一の癒やし。
