QTaka

劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命のQTakaのレビュー・感想・評価

4.4
この人は、本当に人を惹き付ける。
その全身から溢れ出す”映画愛”が人を幸せにする。
そんな事を、再確認させる映画が有って良かった。
それが、また人を映画の虜にさせるだろうから。
そんな映画を、この時期に見られて良かった。
また映画を見たいという気持ちが湧いてきたから。
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今回、このドキュメンタリーを観られたのは、”STAY HOME MINI-THEATER”のおかげだ。
本来なら、昨年の秋に”札幌プラザ2・5”で観られたはずなのだが、見逃した。
その後、”田中俊介映画祭2019in札幌(札幌プラザ2・5)”で、坪井篤史さんと田中俊介さんのお話を聞く事が出来た。
なんだか、すごいものを観た気がした。
それは、確かだった。
上映された『恋のクレイジーロード』もすごかった。
その主演の田中俊介さんもすごかった。
でも、そんな映画の現場に、坪井さんがよく似合う。
直接お会いしたわけでは無いけど、イイ出会いだったと思う。
その、坪井さんの来札の際の後日談を札幌プラザの方から聞いた。
札幌でもVHSを買い付けていたらしい。
底なしの映画談で盛り上がったらしい。
そんな話を聞いていたから、このドキュメンタリーは観なきゃと思っていた。
映画の現場に、こういう人が必要なんだろうな。
そんな事を、改めて知った。
多分、みんな知っていた事なんだろうけど。
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この日、本編の上映の後、アフタートークが有った。
参加者は、本作監督の樋口智彦さん、主演の坪井篤史さん、同映画館のスタッフ大浦奈都子さん、白石晃慈士監督(『恋のクレージーロード』)、深田晃司監督(『淵に立つ』)、俳優の田中俊介さん(『恋のクレージーロード』)の六名。
いずれも坪井さんが副支配人をされる”シネマスコーレ”にゆかりの方々だ。
そして、本作監督の樋口監督を含めて、(スタッフの大浦さんを除く)いずれもかなりおかしい人たちでも有る。
それぞれから語られる映画との関わりについてのお話が、狂ってる。
どこかで、何か間違ってしまったのだろう。
あるいは、間違った方向に踏み出してしまって、帰ってこれなくなったのだろう。
そんな人たちが、私たちの楽しみにしている映画を作っている方々で、その映画を上映する映画館を支えている人たちなのだ。
そんな、見ていいのか、気付いて良かったのかわからない実態を目の当たりにする企画だった。
このアフタートークも含めて映画を見るというスタイルは、シネマスコーレでは、当然のように行われているのだが、札幌ではなかなかそうは行かない。
なるべくそういう機会を逃さないようにしているのだが、そこは映画館の事情も有るし、北海道という立地の問題もある。
それにしても、今回のトークは良かった。
このトークを見たら、この監督、役者たちの作品をもっと見たくなる。
やはり、シネマスコーレの取り組みは間違いないのだと確信する。
そのトークの中心の坪井さんが輝いて見える。
大切な映画人だと思う。
そろそろ映画館に行きたくなった。
いつ、映画館に行けるかな。
そして、いつかシネマスコーレにも行って見たくなった。
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