まずOPの恍惚感ある楽曲"Punishing of Rain"が流れ始めてから作品内の多数レイヤーが張られた善と悪や正義と不正など複雑で難解な世界へ放り込まれる。それぞれがジブンの正しいと思う理想の正義を全うしそれに固執する。木村拓哉演じる検事の最上と二宮和也演じる新人検事の沖野があくまで間接的な台詞の応酬でぶつかり合う描写は期待してた通りの競演合戦でベールに隠された司法界の闇が露わになるメッセージ性が備えられていた。何か飛翔するようなエンタメ不足ではあるが深い映画でした。
最上のあの行動がやはり理解できず払拭できないままに本編を観終わってしまったのは事実なのだが実際の現実でも少なからず似たような手垢をモチーフに製作されているような影が本編を観ていると感じとれる。終盤のある場面で沖野が雄叫びをあげるシーンがあるがかつての憧れた男に対する失望や正義の違いを悲しみに近い感情で描き込んでいたのかもしれない。キャストでもジャニーズの重鎮二人が少なくとも現実のボヤけた問題に真っ正面から解決され切れない疑問を訴えかけてたのではないか。
