ねこねここねこ

ミスター・ガラスのねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

んー、なんだろう、ラストがぁ…。 

Amazonプライムで少し観たけど、ジェームズ・マカヴォイ演じるDID(解離性人格障害)のケヴィンがよくわからないので、途中で中断して、アンブレイカブルとスプリットをわざわざメルカリで購入して、アンブレイカブルは二度目の鑑賞、スプリットは初めての鑑賞をして、3部作をきちんと観たという力の入れようで、まぁ楽しめた。ブルース・ウィリスもジェームズ・マカヴォイも大好きだし、サミュエル・L・ジャクソンも3人とも演技がさすが。

ケヴィンはホスト人格のはずなのに支配されてる感じでなかなか出てこられないみたいだった。結局のところビーストもケヴィンを保護する役割のはずなのに、なんで殺人鬼と化してしまってるのかは謎。
最期はなんか可哀想だったけど、人格を統一というか、ケイシーの腕の中できちんとケヴィンとして最期を迎えられて良かったし、死は解放でもあるかもしれない。
スプリットの感想でも書いたけど、やはり「24人のビリー・ミリガン」がベースにあるのではないかと思う。
ケイシーもケヴィンも虐待を受け、苦しんで来たから共感するところがあり、警官を前に「痛みしか知らないで生きてきたの、穏やかな人格を呼び出すから撃たないで」と守るシーンの気持ちはよくわかる。でもビーストは大量殺人鬼なのでケヴィンの場合は死が彼を解放したと言えるだろう。

一方、人々から監視人と呼ばれ、強靭な肉体と人に触れるとその人の悪事が映像として見える超能力を持ち、息子のジョセフの協力を得て悪を懲らしめたり少女達を救ったりしている善人のデヴィットまで秘密結社に酷い殺され方するのはなんか納得出来ない。悪も善もどちらも存在させないから抹殺って、そんな権利ありますか?!って思う。

題名になっているミスターガラスは途中からやっと登場。ヒーローの存在を検証するために列車の脱線事故を引き起こし、ケヴィンの父親を殺したのも同然なのに悪びれもしないし、やっぱり悪い奴なんだけど、それ以上にイライラさせられる女医よりはマシ、と思っていたら、最後女医をだし抜いていたところだけはスッキリした。

まぁ、後に残された納得出来ない者同士とは言え、デヴィッドにとっては敵だったはずのミスターガラスの母親と同じ立ち位置なのはなんか違和感。

それにしてもスプリットのラストにブルース・ウィリスも出演してるけど、19年も経って3部作になるとは当初は思わなかったんじゃなかろうか?
現に息子役のスペンサー・トリートは直前まで知らなかったとインタビューに答えている。あの時の子役が成長して、そのまま親子役出来るなんていいなと思う。(この映画に関しては似た人を探して来たとは思わず、あの時の子役だとすぐわかった)
アンブレイカブルでドラックの売人役してたナイト・シャマラン監督が、更生して店に買い物に来てる客の役とか、クスッと笑える場面もある。

3部作を1日で観切ったので達成感はあるかな。全体を通して面白かったし、俳優さん達の演技は素晴らしかった。特にジェームズ・マカヴォイはころころ変わる人格を老若男女ともに演じ切っててすごい!