『アンブレイカブル』がすごく好きなのでブルースウィリスが割とあっさり死ぬのが物足りなかったが、ミスターガラスの魅力で評価が上がった。
彼は脆い身体と引き換えに高い知能を持っているが、その高い知能はおそらく先天的なものというより、脆い身体であるからこそ頭を使って生き延びなければいけなかったという彼の特異な体質が故に備わったものなのだろう。そして自分の存在は逆説的に超人の存在を示しているのではないかと考えて、彼らを炙り出す。
もし、自分が彼の立場なら体質と引き換えに何か能力が備わっているのではないかと考えるだろうし、もしそのような超人がいたとしてもそれに対して羨望の目を向けるしかないと思う。ミスターガラスの最も魅力的でかつ切ないところは、その超人の存在によって実存的不安が解消されることにある(この論理の飛躍にこそ彼の魅力の全てが詰まっているように思える)。
この一見倒錯している論理も、彼の脆い身体ゆえに生じているということを考え合わせるとより一層ヴィランとしての悲哀さが浮かび上がる。
