けーはち

ミスター・ガラスのけーはちのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.7
「アンブレイカブル」に始まるシャマラン監督のヒーロー・トリロジー最終編。思いのほか良かった。黒幕にして自身は脆弱ゆえ傷つき痛みを知る悪の救世主キリスト的存在「ミスター・ガラス」は、既存2作主人公の戦いをマッチメイク。善悪頂上対決に加え超人vs常人の暗闘、大オチで超人達の実在が情報開示された新世界へ。今やあまねく人口に膾炙するヒーローものへの卒業ソングをシャマラン流に朗々と唄い上げる「シン・エヴァ」ならぬ「シン・シャマラン」的なメタフィクションで、故に19年前と同じオリジナルキャストでやり切ったのだろう。精神病院の白く規則的に区切られた空間は漫画のコマ割りのようだが、真の戦いとは漫画のページを捲る1人1人の地味で小さなもの。当初計画していた街一番の高層ビル(オオサカタワーって何や)でなく病院前の中庭で小ぢんまり鈍臭く地味ィ〜に戦うヒーローの姿は皆1人1人の心の中に居続ける。