EDDIE

ミスター・ガラスのEDDIEのネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

M・ナイト・シャマラン監督、衝撃の3部作完結編(おそらく)。
2000年公開の『アンブレイカブル』、2017年公開の『スプリット』、そして2019年公開となった本作『ミスター・ガラス』。
個人的にはかなり期待していた作品ですが、期待を上回ってしまいました。
スクリーンから片時も目を離せないほど夢中になり、クライマックスのイライジャの仕掛けには感動すら覚え、エンドロールが流れる頃には目から涙が溢れていました。
もちろんこの映画を楽しむためには、前作2つを観ている必要があります。
ただ伏線の回収の仕方が、前作を観ていると感心しっ放しで、笑みがこぼれてきます。
そして、「スプリット」で披露されたマカヴォイ演じるケヴィンの多重人格の見事さ。もはや芸術の域です。ホントに全てが別人。並の役者にできる業ではありません。
19年前に全米公開された「アンブレイカブル」から、まさかのケヴィンの父親すら関与しており、それが本作に繋がっている。ブルース・ウィリス演じるデビッド・ダンの息子も「アンブレイカブル」に出演してた子がそのまま19年の時を経て成長した姿で出演。ここにもシャマランのこだわりを感じました。
さて、そんな曲者だらけの本作で一番驚異的だったのが、サミュエル・L・ジャクソン演じるイライジャ。天才的頭脳を持ちながら、生涯で94回骨折したガラスのような身体を持つ男。彼がクライマックスの感動を作り出した張本人。
精神病院に収容される3人。イライジャは自分を含め全員の脱出を企みます。多重人格者ケヴィンの中に眠るビーストを呼び起こす術さえも携えて。
脱出後は彼らの関係者、キーパーソン含め全員集合で、ダンとビーストの対決が始まります。これがなかなか見応えあって、それを企てたイライジャは高みの見物。かと思いきやビーストに生涯95回目の骨折を経験させられてもがき苦しみます。
本作ではこのような彼らの超人的な力を、思い込みや少しのボタンのかけ違いが原因だとなかったことに仕立て上げようとする組織の存在があります。
そう、アメコミの世界は歴史ではない。スーパーヒーローなんて存在しないと。
だけどもダンやケヴィンに超人的な力を与えるきっかけを、イライジャは19年前に仕掛けてしまったのです。この19年という準備期間を経て、そしてクライマックスの最後のイライジャの天才的な仕掛けによって、消されようとした彼らの存在が世界中に出回ってしまうのです。
これはあくまで個人的な見解ですが、「イライジャ=ミスター・ガラス=M・ナイト・シャマラン」だと。19年前からこの構想があったのか、まさに『シックス・センス』でも感じさせられたどんでん返しをここでも味わわせてもらった気分です。
3作品を1作品とまとめ上げ、個人的オールタイムベストにも入る作品だと確信しました。
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