クリストフォルー

ザ・メイヤー 特別市民のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

ザ・メイヤー 特別市民(2016年製作の映画)
4.2
「Fukushima 50」や「新聞記者」は、本来なら日本を代表する“政治映画”になる題材なのだが、キャストの好演にもかかわらず、事実からフィクションへの橋渡しが稚拙すぎて、見るも無残な出来上がりだった。昭和の「金環食」や「迷走地図」の、現実の政治状況をフィクショナルに昇華させた手腕は、今は望むべくもないのだろうか。
ひるがえって韓国の政治映画は、史実モノも含めて、政治をフィクショナルに咀嚼して、それに人間味をしっかり纏わせていて、いくら何でもという展開であっても、最後まで見せきってしまう。現実の政治に問題が多いからこそ、観客にそっぽを向かれるものは作れないのかもしれない。

日本映画にも「宣戦布告」や「東京原発」「太陽の蓋」など、やればできると思わせる作品はある。後は、観る側が、未来のための政治映画を求める番なのかも。
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