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今夜、ロマンス劇場でのmomoのレビュー・感想・評価

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)
4.5
究極のプラトニック・ラブの物語。「ロミオとジュリエット」と「人魚姫」を掛け合わせたお話のような気がした。映画の助監督の青年とスクリーンから抜け出したお姫様の切ない恋。二人の恋の障害は触れ合うことができないということ。どんなに愛していても抱きしめることも手を握ることさえ許されない。もし触れたら姫はこの世から消えてしまう。住む世界が違う者の恋はどうしたら叶うのか。悲しい結末が予想されてしまう。でも途中から気づいた。二人の愛は続いているのではと。加藤剛さんの清廉さはこの役にぴったり。お年を召されても素敵。綾瀬はるかさんはオードリー・ヘップバーンを彷彿とさせる。当代最高の女優さんだと思う。坂口健太郎くんも純情な青年を好演していた。病床のシーンでは死すら二人を別つものではないと思えた。ラストシーンが良い。極彩色のスクリーンが二人の愛の昇華を象徴しているかのようだった。非現実的な設定だが、美しい愛の形を教えてくれる秀作だと思う。
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